Hisashi Nakao



科学哲学に対する私の何となくのイメージ

最近科学哲学系の入門書も増えて何が何だかよく分からないですが,多分そういうのを読んでも実際何が何だかさっぱりだと思いますし,とりあえず私が何となく念頭に置いている科学哲学のイメージみたいなもんを書いておきます.なので,以下は完全に私見で,毎年改訂される予定です.世間で言われている一般的な意味での科学哲学について知りたい人にとっては何の役にも立たない文章ですので,その点はご注意ください(そもそもそういう人に向けて書いているわけではないので).

科学哲学には大きく分けて二側面あると思っています.まずは自然科学の手法や知識を人文学・社会科学に導入して色々やること.次に,人文学・社会科学の知識や手法を自然科学に持ち込んでしまうこと(そしてさらに,両者を行き来するときに出てくる色んな問題点や利点とかを明確にするとかも).私はこのどちらも大切で,どちらかがかけてしまえば科学哲学の存在意義は一気に失われてしまうだろうと思ってます.具体的な話は授業で扱いますが,基本的には,あらゆる方向からあらゆる分野を超えて色々やってみるってどういうことか,みたいな話をする予定です.しんどいなあと思う人がいるかもしれませんが,壁とか境界を超えるのがこの学部のミッションの一つだそうなので,何とか頑張ってください.

もちろん,自然科学・社会科学・人文学の間を行き来しちゃうって言っても,正直色んなやり方があります.実際,「これしかダメ!」みたいなのは何一つないです.何だっていい.絶対にこれだけはってことがあるとすれば,行き来した関連領域の人たち全員に語れるような内容の仕事をしなきゃダメということくらい.人文学・社会科学の側から自然科学にアプローチして,結局人文・社会科学の側にしか共有されないような仕事は価値がない(日本の科学哲学は99%がそんなのになってますが).私が唯一注意しているのが(そして最大の注意を払っているのが)ここです.

こんな感じなので,科学「哲学」って言ってもあんまり哲学っぽくはありません.一応,色んな分野の話を広くかつ深く扱っていきますので,そういう意味ではある種の哲学なのかもしれません.でも,もう呼称とかアイデンティティなんてものは基本どうでも良くて(みなさんにとってもそんなこたどうでもいいでしょうし),壁を越えるってどんなことなのか,どうすれば良いのか,みたいなことだけ考えて聞いてください.

Last modified: 12/06/2015