Hisashi Nakao



ゼミの紹介

ごく簡単に中尾のゼミ(自然哲学ゼミ)の紹介をしておきます.だいたい12月頃に2年生のみなさんはゼミ選択を行うことになると思いますが,参考にしてください.ちなみに最近はこういう研究プロジェクトに巻き込まれています.

*ちなみに上記のプロジェクトでは考古遺物の(レーザースキャナーやら写真から3次元データを構築するStruture from Motionやらを使いつつ)3次元計測および,その得られた3次元データの定量解析を最終的には行っていく予定です.また,もしかすると石鏃なんかを使った実験考古学的な研究もやるかもしれません.

関連する授業

「科学文化論B」(Q2)で自然哲学の入門的な講義,「科学文化論A」(Q4)で自然哲学の発展的な講義を行っています.ゼミ希望者or所属の方はできる限り,この両者を履修しておいてください.また「性と生命における尊厳」(Q3)という授業で進化生物学の概論,大学院科目で人類進化史研究(Q3)も開講しています.後者は学部生さんには単位は出ませんが,興味があればどうぞ.

ゼミのメンバーとテーマ

現在の所属メンバーは3年生が6名です.私は2018年度にこちらにきましたので,今は3年生しかいません.みなさんのご関心をざくっと一言で書くと,国家,王制,ことば,多重人格,動物,ゲームです.こんな感じで関心は結構バラバラです.

ゼミでやること

私はあまり実験もフィールドワークもやらないので(たまにこそっとやっていますし,データ集め+一定の統計処理なんかも時々やっていますが),ゼミの目的はみなさんが一人で文献を読み,それを検討して適切にまとめられるようになってもらうことです(強調点は三つあります).というわけで,ゼミの基本的な作業はみなさんで文献を読んで,いろいろ議論していくことになりますが,年2〜3回はみなさんの興味関心に沿って,自分一人で調べたことを発表してもらう予定です.

ゼミの募集(2019年度以降)

2019年度以降もおそらく,多少なりとも私の研究内容(自然哲学)に関連するテーマでゼミ生を募集することになると思います.私の研究内容についてはこちらをちらっと見てみてください.いろいろやってはいます.あまりにも遠すぎる場合は他をおすすめすることもあります(他の先生の方が適している場合も少なくないでしょうし).

自然哲学って何よ

私の論文・本を見ろと言われてもハードルが高い上,ネットで「自然哲学」なんて名前を調べてもさほどいい案内が出てくるような専門名でもないので,少しばかり説明を加えておきます.基本は哲学的な問題意識を哲学以外のさまざまな分野の研究と照らし合わせて色々考えてみようというアプローチです.たとえば進化生物学や心理学の研究を踏まえて道徳性の起源を考えてみたり,考古学や人類学の研究を踏まえて国家が何で大事なのかを考えてみたり,といった具合です.関連する科学の視点から哲学的問題を考察する,という感じでしょうか(下図の上側).もちろんその逆もできて,「考古学ってどういう意味で科学なの?過去をどう科学的に考察できるの?」とか,科学の諸々を哲学的に分析することもできます(下図の下側).


*認識論・方法論というのは哲学のアプローチの一つです.私が行うのはこの認識論的・方法論的考察が多いです.

また,哲学以外の他の分野といっても実に色々分野があるわけですが,私が多少なりとも関心を持って理解できるかもしれない分野は限定されます.たとえば心理学(特に発達・社会・動物),神経科学,進化生物学(特に行動を含む生態学,進化発生生物学),人類学,考古学(特に日本,ヨーロッパと中国の新石器時代まで,ラテンアメリカなど),経済学(特に実験経済学),精神医学,歴史学などです.基本は直接的に人間の諸々を対象にする分野で,物理学や化学を参照することは(私は)稀です.

なんというか,一つの分野には飽き足らず,なんか色々やってみたいという方にはオススメできるゼミなのかもしれません.そもそも担当教員がそういう性格です.

関連文献らしきもの

いい日本語文献がないのであまりぱっと勧められるものはないのですが,例えば以下なんかが私のやってることのイメージをつかみやすいかもしれません.

  • ジョセフ・ヘンリック. 2019. 『文化がヒトを進化させた―人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉』,白揚社(Amazon
    文化進化関係で最新の著作です.色々まとまっていて良い本です.
  • リチャード・ランガム. 2020. 『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』,NTT出版(Amazon
    →ヒトの協調性と暴力性の両方がどう進化してきたかを考察している書籍です.
  • ジョナサン・ハイト. 2014. 『社会はなぜ左と右にわかれるのか:対立を超えるための道徳心理学』,紀伊國屋書店(Amazon
    →道徳という哲学のテーマを心理学で考えるとどうなるか.道徳心理学の良い入門書です.

その他

何かご質問その他あれば直接聞いていただくのが一番だと思います.研究室は第一研究棟4F404とかです(たぶん,エレベーターでて左に進んで探してください).あとはゼミ生も捕まえて聞いてみてください.ご紹介します.

Last modified: 6/5/2019