Hisashi Nakao



人間進化の科学哲学:行動・心・文化

書誌情報:
2015年3月31日刊行
名古屋大学出版会,246 pp.
本体価格 4800円(税込み5184円)
版元ページ

帯文:心や文化は進化で語れるか?人間のふるまいを進化の枠組みで考えることは、いまだ容易ではない。人間進化をめぐる諸科学のプログラムを横断的に検討することを通して、人間とは何かを考え直す。

書評・反響など
shorebird 進化心理学中心の書評など(5/20)
哲劇メモ:東浩紀×吉川浩満「運と確率の進化論――『理不尽な進化』をめぐって」@ゲンロンカフェ
瀧澤弘和「社会科学の制度論的転回:第1回 制度的人間観に向けて」文献案内
私的研究本@Book! Book! Sendaiという企画で吉川浩満さんに選んで頂いたようです.毎度ありがとうございます.

目次

はじめに

第1部:人間行動進化学の研究プログラム

第1章 進化心理学  10

1. 進化心理学の歴史的経緯  10
2. 進化心理学の基本構造  14
3. 進化心理学批判への応答  23
4. 結語  33

第2章 人間行動生態学  35

1. 人間行動生態学の歴史的経緯  36
2.現在の人間行動生態学  44
3. 進化人類学としての人間行動生態学  55
4. 結語  56

第3章 遺伝子と文化の二重継承説  58

1. 二重継承説の基礎  58
2. 二重継承説の検討(1):模倣バイアスの進化  70
3. 二重継承説の検討(2):信頼性判断研究による拡張  73
4. 結語  77

第2部:文化進化研究へのアプローチ

第4章 文化進化のプロセス研究  82

1. 導入:いくつかの準備  82
2. 文化のプロセス研究  91
3. 文化進化プロセス研究の今後:文化進化のプロセスに影響を与えるその他の要因  106
4. 結語  110

第5章 文化のパターン研究  111

1. 系統学の基礎  112
2. 文化系統学の歴史的経緯 115
3. 方法論的問題  125
4. 結語  129

第3部:人間行動進化の実例を検討する

第6章 罰の進化  132

1. 概念の整理  133
2. 罰の進化に関する二つの仮説  139
3. 植物や昆虫における罰  147
4. 脊椎動物における罰  152
5. 人間の系統における罰  158
6. 反論への応答  173
7. 結語  175

第7章 教育の進化:ナチュラル・ペダゴジーの批判的検討  177

1. ヒト以外の動物における教育の進化  178
2. ナチュラル・ペダゴジー説  183
3. ナチュラル・ペダゴジー説への反論(1):矛盾する証拠  189
4. ナチュラル・ペダゴジー説への反論(2):経験的証拠への批判  194
4. 結語  203

おわりに  205

参考文献  209

あとがき  237

索引  241