Hisashi Nakao



科学哲学/Introduction to philosophy of science

担当講師

中尾央(Nakao Hisashi),Email: hisashinakao@gmail.com(@は全角なので注意)
*履歴・専門その他は左のテーブルからリンクを辿って参照してください.

授業時間

7/22,7/25,7/29,8/1(それぞれ15:10-16:40および16:50-18:20の2コマ連続開講).

オフィスアワー

授業後.

授業の内容と目標

科学技術の性質・方法・変化,さらにはそれを取巻く社会・倫理・政策的側面を踏まえ,科学技術の将来を考える.

教科書

教科書:サミール・オカーシャ.2008.『科学哲学』岩波書店(Amazon).
科学哲学にまったくなじみのない人にとっては(内容的にも価格的にも)よい入門書の一つなので,これを教科書にします.また,
小林傳司.2007.『トランス・サイエンスの時代―科学技術と社会をつなぐ』NTT出版(Amazon
も後半の内容に関してよい導入になるかと思います.

参考書

  • 内井惣七.1995.『科学哲学入門:科学の方法・科学の目的』世界思想社(Amazon).

成績評価

授業への参加度(最初の三日間は授業の終わりに簡単な問題に答えてもらい,それぞれが10%ずつ;また最終日に参加型ワークショップを行なう予定ですが,そのワークショップでの成果が30%)+最終レポート(2000字程度,40%)で評価します.

授業計画

  1. 7/22(1)科学の境界を考える:精神医学と疑似科学(オカーシャ 2008 第1章)
  2. 7/22(2)科学の歴史的変化を考える:科学の変化は合理的か(オカーシャ 2008 第5章,内井 1995 第7章)
  3. 7/25(1)科学によって人間観・世界観はどう変わるか:道徳性の科学(進化学・心理学・人類学・経済学の観点から)
  4. 7/25(2)科学技術と社会の関係を考える:社会における科学と社会のための科学(小林 2007)
  5. 7/29(1)科学技術と倫理:良い研究と良い研究者とは
  6. 7/29(2)科学技術と政策:科学技術政策のこれまでとこれから(小林 2007)
  7. 8/1 参加型ワークショップ(1): 自研究の将来像を描く
  8. 8/1 参加型ワークショップ(2) :自分野の将来像を描く

その他の有用な参考文献

科学哲学全般

他にも色々あるが,とりあえずは以下を抑えておくとよい.特に重要なのは内井(1995).90年代前半までの科学哲学の基礎知識はおおむねこの本でカバーできる.その他,疑似科学と科学の線引き問題については伊勢田(2003)が有用.

  • 内井惣七.1995.『科学哲学入門:科学の方法・科学の目的』世界思想社(Amazon).
  • 伊勢田哲治.2003.『疑似科学と科学の哲学』名古屋大学出版会(Amazon).

個別科学の哲学

近年は物理学,生物学,心理学...などといった個別科学に特化した哲学研究も増えているので,それらについて参考書を挙げておく.

物理学の哲学

量子力学の哲学に関しては他にも論文集など色々あるが,相対論・量子力学の哲学の入門書としてひとまず以下を挙げる(アルバートの本は到底入門書とはいえないかもしれないが)

  • 内井惣七.2006.『空間の謎・時間の謎:宇宙の始まりに迫る物理学と哲学』中公新書(Amazon).
  • デヴィッド・アルバート.2011.『量子力学の基本原理―なぜ常識と相容れないのか』日本評論社(Amazon).
生物学の哲学

論文集だと日本語のものもあるが,まとまったものとしては以下のような邦訳を挙げておく.

  • キム・ステレルニー,ポール・グリフィス.2009.『セックス・アンド・デス:生物学の哲学への招待』春秋社(Amazon出版された翻訳から割愛された章の翻訳).
  • エリオット・ソーバー.2009.『進化論の射程:生物学の哲学入門』春秋社(Amazon).
統計学の哲学

原書はかならずしも統計の哲学の本ではないが,日本語で読めるものとしてはひとまず以下.

  • エリオット・ソーバー.2012.『科学と証拠:統計の哲学入門』名古屋大学出版会(Amazon).
心理学・社会科学の哲学

日本語でも「心理学の哲学」と題された本はいくつかあるが,内容は「心の哲学」なのでここではとりあげない.オカーシャの本で「心理学の哲学」とされているモジュール関係の話を扱った文献,あるいは社会科学の哲学の文献として,とりあえず拙論(2014)をあげておく(社会科学の哲学での王道的テーマを扱ったものではないが).

  • 中尾央.2015.『人間進化の科学哲学:行動・心・文化(仮)』名古屋大学出版会(鋭意改訂中).
精神医学の哲学

植野仙経・川島啓嗣・菅原裕輝・中尾央訳.2014 or 2015.レイチェル・クーパー『精神医学と科学哲学』名古屋大学出版会(鋭意翻訳中).

科学技術と社会・倫理・政策

近年科学技術と社会の関係を論じた書籍は実にさまざまなものが出版されているが,初めての一冊としてはたとえば以下の書籍が推薦できる.

  • 小林傳司.2007.『トランス・サイエンスの時代―科学技術と社会をつなぐ』NTT出版(Amazon).

科学技術が人間観・世界観に与える影響に関しては,たとえば以下のような書籍がある.

  • 内井惣七.2006.『空間の謎・時間の謎:宇宙の始まりに迫る物理学と哲学』中公新書(Amazon).
  • 長谷川寿一・長谷川真理子.2000.『進化と人間行動』東京大学出版会(Amazon).

科学技術の倫理に関しては,以下の本が良い.

  • 内井惣七.2002.『科学の倫理』丸善(絶版だがAmazonのリンクを一応).
  • ニコラス・H. ステネック.2005.『ORI 研究倫理入門―責任ある研究者になるために』丸善(Amazon).

科学技術政策の大まかな歴史としては以下の本がおすすめできる.

Last modified: 03/17/2014